
令和7年6月6日、「行政書士法の一部を改正する法律」が成立しました。
改正法は、令和8年1月1日に施行されます。
具体的な改正点は、次の5つとなります。
- ①「行政書士の使命」規定を明記
- ②「職責」規定の新設とデジタル社会への対応
- ③ 特定行政書士の業務範囲の拡大
- ④ 業務の制限規定の趣旨の明確化
- ⑤ 両罰規定等の整備
①一点目は、現行法第1条の行政書士の目的規定を使命規定に改めました。
📖改正法第1条(行政書士の使命)
行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする。
②二点目は、進展するデジタル社会への対応等を行政書士の職責とする規定を創設しました。
※士業法では、初めて「デジタル社会への対応」の努力義務が規定されました。
📖改正法第1条の2(職責)
1 行政書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
2 行政書士は、その業務を行うに当たつては、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない。
③三点目は、特定行政書士の業務範囲を拡大し、特定行政書士は、行政書士が「作成することができる」官公署に提出する書類に係る許認可等に関する不服申立ての手続について代理等をすることができることとされました。
📖改正法第1条の4
1①[略]
②前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申し立ての手続きについて代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。
④四点目は、行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」との文言を加え、趣旨が明確にされました。
📖改正法第19条(業務の制限)
1 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
※法第1条の3の「報酬を得て」とは、書類作成という役務の提供に対する対価の支払いを受けることでありますが、改正により「会費」等のいかなる名目であっても「報酬」に該当する事が明確になりました。
⑤五点目は、行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限違反等に対する罰則及び行政書士法人による義務違反に対する罰則について、両罰規定が整備されました。
改正により、行政書士又は行政書士法人でない者による業務制限の違反(改正法第23条の3)等に対する罰則及び行政書士法人による義務違反に対する罰則について、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各罰金刑を科する両罰規定が整備されました。